ICUHS Global Learning Programs

いよいよ2015年度、SGH研究課題講座がはじまります。
意欲ある29名の3年生がこの授業に参加しています。
ICU高校がSGHで取り組もうとしている課題は「多文化共生社会への社会貢献」です。
研究課題講座は、生徒が主体的に考え、調べ、課題解決を提案してゆく学習を通じて
大学での学問や社会人として活躍する基礎となる力を身につけていくことを目的とし、
生徒一人一人の将来を考えるきっかけにもなることを期待しています。
国際基督教大学の先生、外部講師、NPO/NGO団体の方などにご指導いただき
興味深い授業が展開される予定です。
また外部講師、ICU高校教諭による生徒研究テーマに関する論文作成法やプレゼンテーションの
アドバイス、情報検索法の指導などが随時行なわれます。

昨年から今年にかけて当講座の先行授業として様々な授業が展開されました。

①1月14日 千葉眞 国際基督教大学教授による講義 言語:日本語
「多文化共生とはなにか1」
共生(coexistence,conviviality,kyosei)を中心としたお話
共生の英語訳、共生の3つのモデル(寛容モデル、会話モデル、協働モデル)などについてのお話がありました。

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②1月21日 ナギ スティーブン R. 国際基督教大学准教授による講義 言語:日本語・英語
「多文化共生とはなにか2」
日本の多文化共生の可能と限界:多文化主義と社会統合を通じての分析
具体例として新宿区と足立区の多文化共生のお話がありました。

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③2月4日 ナギ スティーブン R.准教授および千葉教授による講義 言語:日本語・英語
「多文化共生は日本人にとって必要か」「日本社会の多文化共生の現状について1」  
国際基督教大学大学院のアジア系留学生3名も参加し
講義ののち、グループに分かれての討論と発表をしました。
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④2月25日 公益財団法人アジア福祉教育財団難民事業本部の伊藤寛了氏および
難民認定されたミャンマー人1名による講義
「日本社会の多文化共生の現状について2」
難民受け入れ、外国人問題の現状について現場担当者の方に講演していただきました。
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また、上記以外にも夏休みに実施予定の「問題解決セミナー」上級コースを組み込み、
実際に課題に向き合うということの理解、スキルを体験的に学びました。

ついに来月から2015年度の研究課題講座がはじまります。
それに向けて4月15日に生徒向けにガイダンスがおこなわれました。
今年度は、外部講師の鈴木先生にもきていただき、講義並びに生徒の指導もしていただきます。
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最後に鈴木先生が名刺代わりにと短く講義をしてくださいました。
それは、多文化共生とはどういう共生がのぞましいのか。それが本当に大切な問題なのか。といった問いかけから始まりました。
文化と文化は水平な関係であると思われがちだが実は文化と文化には上下関係(垂直関係)、つまりメジャーとマイナーな世界があり
それをどのようにして水平な関係もっていくかが一番の課題であるとのお話でした。
多文化共生の中で自分はいったいどこにいるのか。メジャー、マイナーな種類を思い描きながら分析すると、
自己の問題として多文化共生を考えることができるのではないかといったお話でした。
最後に生徒から質問がありました。
「どうして多文化共生って大切なんですか」「どうして最近、多文化共生ということばをよく耳にするのですか」
みなさんも一緒に考えてみませんか。