2018年6月6日(水)キリスト教週間の行事、マルチイベントが開催されました。20のレクチャーやワークショップが開かれ、生徒は希望のプログラムを選んで参加しました。そのうちの一つのプログラムが「国際機関で働くおもしろさとやりがい」というタイトルで、元国連職員の方々に国連で働くことについて、具体的な体験談、国連の目指す平和などについてお話いただきました。48名の生徒が参加しました。
第一部では元国連職員(AFICS-JAPAN)の山本和先生に、国連機関の設立と目的、ユニセフでの具体的な体験談、ICUではじめたサービスラーニングなどについてお話いただきました。
第二部では、元国連職員の森田宏子さま、高瀬千賀子さま、山崎節子さまにもご参加いただき、生徒2名が司会者となり、パネルディスカッションをしました。生徒からのさまざまな質問に対し、分かりやすく丁寧に答えてくださいました。
以下、参加した生徒の感想文です。
・この講演会をうけて僕は「道」というイメージをもった。一つには国連の共通した目的だ。国連とは大きな総称であり、もっと細分化してみるとUNICEFだとかIMFだとか多くの機関にわけられる。しかしそのどの機関も世界平和という一つの終着点をもち、それぞれの道を歩んでいるということ。それらはときには交わり協力し合ったり、話し合ったり、その点に国際機関においてのやりがいがあるのではないかと考えた。もう一つには多くの経験が自分の歩む道をつなげるということだ。山本さんの場合ではインドへの一人旅、山崎さんの場合は銀行など、自分の挑戦がその先につながったのだと思った。僕は新しいことに挑戦することに億劫だったが、この話をきいて多くのことに挑戦し、経験を積んで新しい道につなげたいと思った。
・国連で働くということが必ずしも遠いことではないということを知った。世界各国から集まった人々の多様な意見をマネージメントすることで究極の「世界平和」を実現するという仕事にさらに興味が湧いた。
・常にプランBを考えて、diversityの中で働かなければいけない。いつ何がおこるかわからない。明日、暴動がどこかで起きるかもしれない。このように、高いリスクの中で働くことはストレスも多いと思いますが、とても変化のある、やりがいのある仕事のように思います。まだ将来のことはわかりませんが、コミュニケーション能力を磨くことは国連関係で働く場合、必要不可欠だと学びました。そして、一番大切なことは、人として信頼できるか、判断能力を磨くことだと学びました。だから今の私にできることは、海外生活を通じて取得した英語力を磨き続けること、そして、今のうちに様々な経験を自ら積み、自分で考える力、思考力を高めることだと思います。今やることは、将来どのような形で役に立つかわからないので、このICU高校での高校生活も色々な意味で、精一杯充実させたいです。
・私はいままで実際に国連で仕事をなさった方にお話を聞いたことがなかったため、今回の講演は、とても興味深く聞いていました。やはり皆様のバックグランドは目を見張るものがあり、尊敬します。特に山本さんのインド旅は、とても尊敬します。未知の場所に一人で踏み込む勇気、私は出せる気がしません。今回いらしてくださった方々は、主に金融や開発を専門としていて、私の進路とは少し違うのですが、英語のお話はとてもためになりました。山本さんのお話で、国連の目的、システムを聞き、自分がいまなにをすべきなのかが少し見えてきたような気がします。そして、より一層国連で仕事をしたいと思うようになりました。パネルディスカッションで森田さんが「言葉を訳するのではなく、メッセージを訳せ」「相手の文化を尊重することが大切だ」とおっしゃっていた点が、とても印象深かったです。やはり国際的に活動する以上、あらゆる国へのunderstandingが必要不可欠だということに、改めて気づかされました。私は今まで、自分の意見はあまりはっきりとは言っていませんでした。しかし、それは他の人のためにも良くないのだと、この講演で気づくことができました。私はこれからの課題として、自分意見をしっかりということを第一としていきたいと思います。
・私はマレーシアにいたのですが、多民族国家で3つの違う民族の人達が一緒に暮らしていて、みんなが平和に暮らせていましたが、たまにデモなどがあり、少し怖い思いをしたときもありました。また難民の子供達もいて、学校のボランティア活動などを行いそこで助けが必要な子の役に立つことの大切さや嬉しさを学びました。今回のお話で皆様、開発ということで、私のお世話になった国、マレーシアなどに帰ってもっと発展するお手伝いや、UNESCOなどの団体の一員になり、英語や他言語をつかって世界をもっと平和な場所にできたらいいなと改めて思いました。自分の意見をしっかり言ったり、興味あることはすぐに調べたりと今の自分ができていないことがまだあるので、この高校生活や大学などを通じて、きちんと「自分」を持てる人になっていきたいと思えました。
・私は将来UNICEFなどの国際機関で働きたいと思っていたので、貴重な機会をいただけて本当によかったです。自分の将来に対する気持ちを再確認することができました。また、今回は司会をつとめさせていただき、とても緊張しましたが、一生記憶に残るものとなりました。大勢とパネリストの橋渡しをするということ、意見をつたえるということ、大勢の人を巻き込むということなど司会を通じたくさんのことも学びました。
・みなさんの話をきいて将来のために本当に役にたったと思いました。国連の大切さと世界で色々な人が協力してworld problemsに対しての目標を達成するすごさを学びました。国連で仕事している方々は、色々なバックグラウンドからきて、色々なcultural differencesの問題があることを学びました。こういう大変な苦労がある中で、世界のpositiveな影響を与えることがすごいと思いました。
・色々な組織によってパスポートが異なるのがとても興味深かった。実物を見て、とてもいろんな国に行っていて、びっくりした。また、大事なのは自分の気持ちで、英語や知識も大切だが、一番大事なのは自分がどれくらい国連ではたらきたいかという気持ちということがわかった。
・今回の話は国連だけにかかわる話ではなく、これから生きていくうえで、とても貴重な話だったと思います。まず、すべての経験は無駄ではないということです。山本さんも山崎さんも自分のやっていた仕事や旅が、自分の人生に大きくかかわっていました。そのように限られた時間の中で、様々な経験をするには自ら勇気を持って行動をおこすということが大事だなと改めて感じました。また、すべての仕事は自分と相手の中で作られるものなので、相手のバックグラウンドを理解し、自分がぶれないということが必要だと思いました。自分をいつでも持つということは、私にとってとても重要な課題だと改めて実感しました。
・具体的な国連の仕事内容や組織について聞くことができておもしろかったです。今までで一番大変だったけど、やりがいがあったことについて、国連で働いている人のダイバーシティによって、なにが起こるかわからないとおっしゃっていたのがとても印象に残りました。ICU高校に入って色々な国からの帰国生や多様なバックグラウンドを持つ友達と出会えたので、もし将来、国際関係の仕事をする機会があったら、この経験を生かしたいなと思いました。また、どんな経験も無駄になることはないとおっしゃっていたのも印象に残りました。私はオーストラリアとアメリカに住んでいたことがあるのと、今ICU高校で経験していることを、いつか生かせるような仕事をできるように頑張りたいなと思いました。
ご協力いただいた元国連職員のみなさま、貴重な機会をいただきどうもありがとうございました。