3学期初日、新年集会の後、今年もSGH記念講演会を行いました。今回お話ししてくださったのは、スマートニュースメディア研究所所長の山脇岳志さんです。
朝日新聞社で長く記者として活躍され、ワシントン特派員、論説委員、GLOBE編集長、アメリカ総局長、編集委員などを経て、現在は日本最大のニュースアプリ「スマートニュース」にて、メディアリテラシー教育にも関わっていらっしゃいます。今回は「フェイクニュース時代に必要なスキルとは?」と題して、お話しくださいました。
はじめに、どんな高校時代だったのか、どうして記者になったのか、そして新聞社からベンチャー企業に転職した経緯を話してくださいました。
昨年から戦争、そしてちょうど新年集会の前には、災害や事故など、いつも以上にさまざまな形でニュースに接することが多かった時期ですが、そうした混乱の中でも知らないうちに広まるのがフェイクニュース。どれだけ見分けることができるでしょうか。実際のツイートを例に、フェイクニュースの見極めクイズ!
実在しない大学が出てきたり、実在する公共団体が間違った情報を流していたり、虚構新聞のネタが逆に実現されたケースや、ありそうだけど「裏が取れない」話題も・・・なかなか見極めは難しかったです。生成AIによる実在しない人物のいかにもありそうな写真もあり、フェイクにはだまされないぞ、と自信のあった人も、メディアリテラシーの必要性がよくわかったのでは。
そんな中、どのようにメディア・メッセージやSNSとつきあっていけばいいのか?後半は、ポイントを絞ってお話しくださいました。
質疑応答では、メディアリテラシーだけではなく、将来の仕事や進路の悩み、「文章をうまく書けるようになるには?」など勉強の相談にも答えてくださいました。山脇さん、ありがとうございました!
生徒の感想から:
情報の真偽を確かめることは重要だと分かっていたけど、今SNSで様々な情報が出回っている中で、自分が何も疑うことなく情報を飲み込んでしまっていたかもしれないと思いドキッとしました。また、山脇さんのお話の中で特に印象に残っているのは、クリティカルシンキングとは「批判する」ことではなく「吟味する」ということです。これからは一回立ち止まって、知識や考える力を持って、情報を吟味していきたいと思います。
多くの高校生が日常的に使用しているインスタグラムの「アルゴリズム」についても知ってましたが、こういった身近なトピックに関して話してくれて面白かったです。今話題になってるChatGPTについてまで話してくれたり、すごく興味深い講演会でした。
初めのクイズ、半分くらい間違えてしまったので焦りました。しかしお話を聞いていて、やっぱり実際に目で見ることが何よりも信頼できる情報源なのだと思います。そして、例えばアメリカ大統領選のフェイクニュースについては、アメリカの政治の仕組みなどをそもそも自分が知っていないと嘘を見分けることはできないと感じたので、知識を得る、学ぶことは大事だと思いました。(略)「学ぶ意義」を今日、授業が始まる前に感じられたので、これからの授業のモチベーションが上がりました。
文章が上手いと言うと、作家とかを思い浮かべましたが、メディア関係に進む道があるのだなと思いました。進路でとても悩んでいたので、好きなことを仕事に選べても選べなくても、仕事は楽しいばかりじゃないと言うのに納得しました。
曖昧さに耐えうる力を身につけるという言葉にハッとしました。一方が悪で他方が善というはっきりした関係はわかりやすく、目をひかれるけれど、ただ自分が安心するために安易な単純化を行うことは危険なことなんだなと気づきました。
メディアリテラシーについて、国語で学んだことはありましたが、今回の講演を聞いて、より具体的に理解できたと思います。クイズを通じて、私たちがフェイクニュースを見分けられていないことを改めて実感しました。また、最も印象に残った言葉は「吟味思考」です。私は今まで、クリティカルシンキング=批判的思考と習ってきたので、「吟味」という言葉に驚きました。相手を批判的視点で見るということでは無く、自分の考え方を吟味するということを意識することが大事だとわかりました。
とても面白かったです。意志ある道に行くことが将来選択のカギになるとおっしゃっていて、確かにそうだと思いました。将来について、自分は好きなことを仕事にしたい、興味があることでお金を稼ぎたい、と漠然と考えていたけど、自分の道を自分で決断すること、というのはそれだけで価値があると思いました。 また、icuhigh生の厳しい質問、要望に真摯に答えている姿勢が、素直にすごいと思いました。