ICUHS Global Learning Programs

3学期初日、新年集会の後、SGH記念講演会を行いました。今年お話ししてくださったのは、英語ニュース・オピニオンサイト「Japan Foward」編集長の、内藤 泰朗(ないとう・やすお)さんです。ソビエト時代のモスクワで、日本人学校、ロシアの現地校に通っていた内藤さんは、ICU高校の3期生。講演会では、ICU高校の大先輩として、高校時代のエピソードも交えながら現在のお仕事に至るまでをお話しくださいました。

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まずはソビエト時代の日本人学校、現地校の当時の様子について写真を見せていただきながらうかがいました。ロシア人の友人たちに天皇制をはじめ日本について質問されたこと、中学生のときチェコスロバキアほかヨーロッパを鉄道で一人旅した経験、モノがない貧しい時代だったことなど、印象に残るエピソードがたくさんありました。

ICU高校時代は、部活や同好会、ボランティア活動をかけもち。当時の成績表(!)やロシア語でメッセージを書いた卒業アルバムなどの写真も見せてくださいました!親近感をもってお話を聞いた人も多かったのでは。

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物理学科に進学後、指導教授にも「好きにしていい」と言われて、休学してアジアやアマゾンを旅するなど、旅と冒険を経て、研究室の同級生とは全く異なるジャーナリストの道へ。そこからは、カンボジア、ロシア、アメリカ、イギリスと拠点を変えながら、世界の歴史に残るような出来事の数々を取材されたエピソードを伺いました。現在、編集長をされているJapan Forward立ち上げのお話、そして今後のロシアについての展望もお話しくださいました。

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ここには書ききれないほどの盛沢山な内容の講演で、ある生徒の言葉を借りれば、まさに"inspirational"でした。講演後も、時間が許す限り生徒の質問に答えてくださいました。ありがとうございました!

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生徒の感想から:

・「学生時代こういう勉強をして、こういう風に成功した」という、人生の成功体験だけを話すのではなく、恥ずかしい失敗体験も含めた彼だけのストーリーを共有して下さっていたところがお話を聞いていて興味深かったです。どんな経験をしても、その経験が必ず未来の自分を作っていく、という言葉が心に残りました。

・今自分の進路や学びたいことにすごく悩んでいて、私の親戚や私が育ってきた地域では高校を卒業して大学に入学、大学を卒業したら就職して定年までそこで働き続ける、というような価値観を持っている人がとても多いので、内藤さんの経験や今までのことを聞いてとても驚きました。こんな風に生きることもできると新しい価値観を教えて頂いたと同時に、目の前の科目選択や進路で一生が決まるわけではないと、少し気が楽になりました。与えられた環境をただ生きるのではなく、自分で自分が生きる環境を見つけるのもすごくかっこいいことだと思いました。

・他の人が、自分と同じ高校に実際通って、卒業された後、どのような人生を歩んでいかれたのかとても気になっていたので今日聞けてとても勉強になりました。日本だけにとどまらず、ソ連を始めとする様々な国へ足を運んでいたことも参考になります。自分は(海外に4年間住んでいたが)、正直日本で将来どのようにして仕事に就き、どのような形で社会貢献すればいいのか曖昧でした。ですが、今日国際社会で生きていく人のなされている素晴らしい行動力を目の当たりにして、すこしばかりか自信がついたように感じます。

・内藤さんが「ロシア」の時代からではなく、「ソ連」の時代から来ていることが歴史が好きな私にとって興味を引きました。その時代では日本に対して偏見などもあったと思います。私自身も内藤さんが感じたように、日本について全然知らないことを痛感した体験があります。大人になるにつれて日本のことをもっと深く知れればいいなと思いました。

・最後に内藤さんがおっしゃっていた失敗はしてもいいという言葉にハッとさせられました。学校では失敗や間違いが悪いことだとされ、いかに正しさかが重視されているので、ついつい何に置いても正しいことが善というイメージを植え付けられがちですが、内藤さんのように勉強だけでなく自分のやりたいことを伸び伸びとやり、それを自己完結しないで世界にシェアするというスタイルはとてもかっこいいと思いました!私も世間の基準やイメージなどに縛られることなく自分の道を胸を張って歩いていけるような人になりたいなと思いました。