今年度も11月にGLP学習発表会が開催されました。生徒たちが、高校のGlobal Learning Programs(GLP)、個人で取り組んだプロジェクトや探究学習の成果、校外で参加したプログラムでの学びなどを発表し、学びあう全校イベントです。
コロナ禍で海外に行く学校主催のスタディツアーは実施できず、対面開催のプログラムも制限されていた1年でした。しかし、生徒たちの熱意は変わらず、校内で、校外で、またオンラインで、さまざまな工夫をして国内外の人々とつながり、多様な活動や学びが展開されてきました。オンライン授業も経験し、ICTを利用した活動も日常化する中、発表の仕方など「伝える」スキルも高まりました。その一端をご紹介します。
昨年同様、密を避けるために大会場と複数の小規模会場の2部入れ替え制です。
大会場(体育館)では、課題探究講座を履修している3年生による発表が行われました。
食、メディアの役割、古着、幼児教育、ポッドキャスト、他者の存在、思いがけない妊娠、と身近な問題意識をじっくり掘り下げた探究の成果に聴衆も真剣に聞き入りました。
完成された発表スタイルに、TED Talkさながらという声も。
小規模会場では、課題探究講座や自由研究講座で学んだことの発表に加え、個人で取り組んだプロジェクトの発表、ワークショップなどが同時進行で行われました。聴衆となる生徒は学年もクラスも関係なく、興味のあるところを事前に選んで参加します。
ただ、聴衆といってもただ座って聞いているだけではない会場ばかり...
集まった人たちで「他己紹介」のワークショップをしたり、
携帯電話を使い、その場で参加者の意見を集めながら進めたりした発表も。
クイズ形式、ディスカッションなど、会場の参加者を巻き込む技も色々です。
この会場では、グループごとに考えたリュックサックをお互い売りつけるという「経営ゲーム」で忙しそう。
以前、上野千鶴子先生を高校に招き「上野さんと対話する」企画を行ったチームは、今度は参加者同士の対話を盛り上げる!
化学室では、数種類のミネラルウォーターを試飲したのち、小グループに分かれ、みんなで実際に「キレート滴定」で硬度を測定していました。
先生も聴衆にまぎれこんでいる?!
他にも「ダンスとサプール」「宮崎駿テーマパーク」「動物と人間」、「茶道の奥深さ」や、他校の生徒と(近所の野川で実験を重ねながら)取り組んできた海洋プラスチック問題などなど、興味深いテーマが並びます。
高校主催「数学ツアー」の報告では、数学を通して考えた「学ぶ意義」を伝えていました。
言語学や人権についての非常に学術的な発表もありました。
コロナ禍中での貴重な留学経験を話してくれたり、どんどん興味のある校外のプログラムにも参加しよう!と呼びかけた発表もあり、触発された人も多かったのでは。
「実際にやってみた」行動力のあるプロジェクトの報告もたくさんありました。
「オンライン英会話レッスン」を(先生として!)やってみたグループもあり。
「聞き屋」、「ICUHS Podcast放送局」、「無人古着屋」、バングラデシュの方が作った「ノクシカタ刺繍」の入ったグッズ販売は、学習発表会前から校内で活動していました。ファイルやペンなどのICU高校ロゴ入りグッズを「脱プラ」するプロジェクトは、Campus Walk Hourで実物を目にした方もいるかもしれません。
先輩たちから受け継いでいる、地元農家とこども食堂をつなぐ「かけはしプロジェクト」もコロナ禍を経て新しい展開があるようです。
生徒の発表のほかには、ICUの大学生が、ICUならではの理系・文系にとらわれない学際的な領域でどんなことができるのか、課外活動も含めた学生生活の実体験を交えて詳しく語ってくれました。
発表者たちの熱意がビシビシと伝わってきた今年の学習発表会。生徒同士がお互いをinspirationとして、ここからどんな展開へと続いていくのか、楽しみです。
お世話になった他校や大学、近隣地域、国内外各地のみなさま、ありがとうございました!