藤井 健太
26期
University of Texas at Arlington HKUST Business School
率直に言うと受験の際に訪れたICU高校の印象は良くありませんでした。日本に帰国することを快く思っていなかった上に、都心からは遠いし、最寄駅からはバスを乗らないと辿り着かないし、どんな田舎の学校に行かなければいけないのかと、散々両親に文句を言った記憶があります。
しかし、その印象は入学初日から変わりました。世界各国から日本に帰って来た帰国子女が集まる上に、難関といわれる試験を合格して入学を決めた一般生がそこに加わり、非常にユニークな先生達・スタッフの方々が学生達を指導・サポートするという、世界でもあまり類を見ない環境がそこにあったからです。
今回このような形で自分が高校生だった頃を振り返ってみると、私のICU高校での生活や思い出は全て「人との出会い」だったと改めて思います。私は恥ずかしながら、勉強が好きな学生ではありませんでした。宿題こそ提出していたものの、試験勉強や授業の予習復習をした記憶があまりありません。しかし、その分人一倍同級生や先輩・後輩と時間を過ごし、部活に遊びに一生懸命でした。今でも気軽に食事に行ったり、遊びに行ったりできる同級生や先輩・後輩が周りにいるのは、そのような時間を一緒に過ごせたからだと非常に有り難く思っています。先生との出会いも私にとっては人生の財産のひとつです。卒業してから早10年が過ぎますが、当時の担任の先生とは今でも連絡を取って食事に行ったり、気軽に冗談を言い合える関係にあります。ユニークなバックグラウンドを持っている先生がいるのもICU高校の特徴です。残念ながらご縁が無くクラスを取ったことはありませんが、外資系企業やベンチャー企業に勤務していた数学の先生がいらっしゃいます。私は彼との出会いのおかげで将来自分がやりたい事を見つけることができました。
私はいま香港にいます。高校卒業後、アメリカの大学に留学し、卒業後は金融機関・コンサルに合計約5年間務めた後、仕事を辞めて昨夏から香港のビジネススクールに通っています。ICU大学を含むICU人脈、ネットワークには海を越えた海外でもお世話になっています。
高校生活はその後の人生に大きな影響を及ぼす3年間だと思います。ICU高校に入学すれば、誰もがみな自分が思い描くような、又は100%満足のいくような学生生活を送れるということではありません。しかし、グローバルな人材・優秀な人材が集まり、彼ら彼女らと同じ目線に立って指導・サポートする先生達・スタッフの方々がICU高校には集まっています。このメッセージが目に留まり、ICU高校への受験・入学を決めた方々と将来どこかで出会えることを楽しみにしています。
(2015年)
ビジネススクールの友人とともに