Graduates' Voice

卒業生からのメッセージ

Message 06
吉田 亜美

吉田 亜美

(※「吉」は(土の下に口))
26期
国際基督教大学教養学部
ソニー株式会社

ICU高校は両親からの勧めで受験しました。当時、私はアメリカに住んでいて、そこでの生活を満喫していたために、入学することにひどく反発したことを覚えています。また、父親の海外勤務が継続していたことから一人で帰国することになり、親戚も学校の近くに住んでいなかったので、高校の寮に入ることになりました。親元を離れ、6年ぶりの日本。また、慣れない共同生活ということで、不安な気持ちで一杯でした。

しかし、そんな思いも入学とともにすぐにかき消されました。帰国子女が多いために仲間意識も生まれましたが、帰国子女という言葉では一括りにはできないほどバックグランドが多様で、また"一般生"も優秀な上に個性的で、そこに、ユニークな先生と自由な校則が組み合わさり、他にはない世界がICU高校にはありました。

集団の中の一人ではなく、一人一人がしっかりと意見を持ち、また、新しいことに対する柔軟性と興味・関心も高いので、互いの個性を尊重しつつも、意見を述べ合うことができて、自然と自分の視野も広がっていったと思います。そのため、授業/部活/休み時間、学校にいるどの場面をとっても、誰といても、刺激を受けることができ、また同時に、とても居心地の良い空間でした。

ICUと同じような環境を求め、グローバルな環境・多様性・風通しの良さ、この3軸をキーワードに就職活動を行い、縁あって今の会社に入社しました。6年間の日本勤務を経て、今は中国上海に駐在して国際人事の仕事をしています。これまでの仕事の進め方は通用しなかったり、同僚との距離感も違ったり、と悩むこともありますが、試行錯誤しながらも、とても充実した毎日を送っています。このようなスタンスで仕事に取り組めるのも、知らない土地で生活を楽しむことができるのも、すべてICUでの経験があってのことだと思います。

卒業して既に10年が経ちますが、今でも高校のお友達とは頻繁に連絡をとっています。彼女、彼らは良き相談相手であり、また、お互いに刺激を与え合う存在です。そしてこの関係はきっとこれからも続くのだと思います。ICU高校に入学することで、生涯の大きな財産を得ることができたので、今は心から良い選択だったと思っています。

海外にいると受験を意識する機会が少ないと思います。しかし、高校生活は「将来の自分」を左右する重要な時期です。この大事な瞬間を、誰と過ごすのか。どれだけ多くの価値観に触れ、幅広い経験をすることができるのか。それにより、より広い選択肢の中から最適な進路を選択できるようになると思います。将来は導いてもらうものではなく、自分で決めるもの。自分と向き合い、自分の大切にすることが何かに気づかせてくれる環境がICU高校にはあると思います。ぜひチャレンジしてみてください。

(2017年)

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中国無錫工場にて

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