村上 怜央
21期
上智大学経済学部
Vice President, Bank of Ayudhya(三菱UFJ銀行より出向中)
これからICU高校への受験を検討している皆さんに、卒業生として私なりに感じたICU高校の「素晴らしいところ」を2つ紹介させて頂きます。
1.ダイバーシティ(多様性)
小学校の1年生から5年までの5年間をドイツで過ごしました。小さい頃の私は極度な恥ずかしがり屋で、ドイツでは進級する度にクラスに馴染むのに苦労をし、日本に帰りたいと思っていました。しかし、いざ帰国してみると、今度は日本の学校の文化に慣れず、それを隠しながら必死に自分をまわりに馴染ませていました。海外にいるときは「外国人」、日本に帰ってきたら「帰国子女」と、ずっとアウェーです。全てを変えてくれたのは、ICU高校とそこにいた仲間達。さまざまなバックグラウドを持つ仲間の中にいることで、「自分をまわりに馴染ませる必要はない」、「人は皆違っていてもいいのだ」と気付きました(同時に恥ずかしがりな性格もなくなりました)。高校でダイバーシティの重要性に気付けたことは、その後の人生において大きな財産となっています。
2.自由という究極の厳しさ
ICU高校といえば自由な校風です。ほとんど校則もなく、文化祭の出し物も「やる・やらない」から全て生徒に任されていました。では、なぜそんなことが昔から成り立っているのでしょう? それはICU高校生自身が高いモラルと自主性を保ち、それらを脈々と後輩達に引き継いで来たからではないでしょうか。高校生にこれほどの課題を課すなんて、厳しすぎませんか(笑)? でも、それが出来てしまうのがICU高校生だと、私は信じています。
大学卒業後、三菱UFJ銀行に入社しました。帰国子女としてのアイデンティティをICU高校で確立した私は、小さい頃は親に連れて行ってもらった海外に、今度は自分の力で行きたい、と考えるようになっていました。入社4年目でタイ語の語学研修生として2年間タイで過ごした後、日本に帰国。現在は2014年に三菱UFJ銀行の傘下に入ったタイのアユタヤ銀行(通称Krungsri)に勤務しています。所属する部では唯一の日本人ですが、今はもう気になりません。当地のスタッフとお互いを尊重し合いながらも意見をぶつけ合えるのは、ICU高校での経験が活きているからだと感じています。
ICU高校の卒業生は海外で活躍している方が多く、当地でも交流する機会があります。また一時帰国する際は、学年の近い仲間でよく集まるのですが、さまざまな人生を歩んでいる卒業生と会うのは、本当に刺激になります。ICU高校は一生の宝物がいくつも見つけられる学校ですので、皆さんもぜひチャレンジしてみて下さい。
(2018年)
アユタヤ銀行の同僚とともに