Graduates' Voice

卒業生からのメッセージ

Message 13
朝岡 さやか

朝岡 さやか

(旧姓:松本)
18期
国際基督教大学
桐朋学園大学ソリストディプロマコース
Royal Academy of Music
ピアニスト・作曲家

現在はピアニストとして、また映画音楽等の作曲家として活動しています。私は3歳から専門的にクラシックピアノを始め、小中学生時代には既に国内外でコンサート活動を行なっていました。そのため、もちろん音楽高校に進学するという選択肢もあったのですが、音楽だけでない幅広い経験を求め、またICU高校の自由でグローバルな雰囲気に魅了され、受験を決めました。

私自身、それまで海外に住んだことはない所謂「純ジャパ」だったため、世界中から集まってきた帰国生の中で、大きなカルチャーショックを受けました。帰国生の皆が、世界中の様々なジャンルの音楽のCDを薦めてくれて毎日浴びるように聞いていたのが、今の音楽活動の大きな土台となっています。在学中も、ピアノのコンクールや演奏活動も並行して行なっていたのですが、先生方も周りの友達も理解し応援してくれていたお陰で、両立することができました。

卒業後、桐朋音大に入学したのですが、あまりにも充実していて刺激的だったICU高校での生活や学びが恋しくなり、翌年ICUを外部受験。音大とICUのダブルスクールの日々が始まりました。ICUでは心理学を専攻し、卒業論文ではピアノ演奏者の心理について書かせて頂きました。ピアニストとしてのメンタルトレーニングの意味でも、この時学んだ心理学が、今でも役立っています。

ICU卒業後は、イギリス・ロンドンのRoyal Academy of Musicの大学院課程に留学。6年半ロンドンに居住しヨーロッパ各地で演奏活動をしながら、同時に映画音楽の学校にも行き作曲活動も開始しました。日本帰国後の現在は、小学生の男の子と双子の女の子、計3人の子育てをしながら、映画・CM音楽の作曲、各地での演奏活動、音楽雑誌での連載などを行なっています。

今の時代、音楽を含め様々な業界において、「○○大学を出て○○の資格を取れば○○になれる」という昔ながらの公式がどんどん崩れ、多様化している気がします。そんな中、自分の目の前の選択肢が、誰のためでもない、1回しかない自分の人生にとって、選ぶべきものかを見極める「直感力」が、益々必要な時代になっていると思います。そして私にとって、その直感力を鍛えてくれた一番の場所が、ICUでの高校生活でした。

音大とICUのダブルスクールを決断する時、留学を決める時、それまでクラシック一本だった私が「作曲」という新たなフィールドに挑戦する時・・・。毎回迷いも葛藤ありましたが、その度にICU高校での日々の思い出が、背中を押してくれました。

当時から生徒たち一人一人がとびきりユニークだったICU高校。「自分だけのオリジナルな人生を送っていいんだ」と気づかせてくれたICU高校は、今でも私の大切な原点です。

(2019年)

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英国ブリストル大聖堂での姉妹デュオコンサートにて

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