Graduates' Voice

卒業生からのメッセージ

Message 14
志村 朋哉

志村 朋哉

21期
国際基督教大学
University of Tennessee
在米ジャーナリスト

私が住む米国カリフォルニア州アーバインで開かれた海外在住者向けの説明会に卒業生として参加する機会がありました。そこで感じたのは、ICU高校が外部に発信している情報と実態にギャップがないということ。卒業から20年近く経ったので、建物やテクノロジーといった表面的な部分は変わったようですが、みなさんが読んでいるパンフレットに書かれた教育理念は、私が経験したICU高校そのものです。

私は父の仕事の都合で小学校の一時期をアメリカで過ごしました。帰国後は「ザ・二ホン」とも言える公立中学校に通い、アメリカでは見たことのない、いじめ、校内暴力、同調圧力といった荒波と対峙することに。そこで学んだサバイバル術は、自分らしさを抑えることでした。でも、周りに嫌われないことに必死になるうちに、いつの間にか心は渇き、自分が何を求めているかすら分からなくなっていました。

そんな私を救ってくれたのが、いわゆる「隠れ帰国」として入学したICU高校です。

高校生にして既に世界中で様々な経験をしてきた生徒が集まるこの学校では、一人ひとり、違うことが当たり前。自分らしさを存分に発揮しても、誰も疎んだりはしません。英語と日本語のミックスで話そうが、嬉しくて踊りだそうが、笑顔で見守る仲間や先生がいてくれます。

「こうしなさい」と命令したり、「こうすべき」と価値観を押し付ける人も少ない。進路についても、先生はいい意味で放っておいてくれます。(もちろんアドバイスを求めれば、親身にサポートしてくれます。)一人の人間として尊重されていたのだと、この歳になって改めて感謝しています。

ICU高校の最大の資産は、間違いなく世界基準を共有する生徒と先生です。その真価に気付くのは、社会人になったり、日本を飛び出したりした時なのかもしれません。

高校時代に勉強した知識というのは、卒業したらほとんど忘れてしまいます。しかし、ICU高校で養われた自信やコミュニケーション力、他者を尊重する姿勢などには、今も支えられ続けています。ICU高校の文化は日本では異色と映るかもしれませんが、世界ではむしろこちらがスタンダードです。ICU高校に行っていなければ、米メディアでジャーナリストとして働くことなどあり得ませんでした。

ぜひみなさんもICU高校で自分の可能性を広げてください。他では得られない高校生活が待っているはずです。

(2019年)

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