直木賞作家 重松清さん ご来校!
『ビタミンF』『エイジ』『青い鳥』『とんび』『流星ワゴン』・・・
人生で何度も読み直したお気に入りの小説たち。
その憧れの作家さんにお会いしたい!
今回、SGH課題研究講座の受講生たちが、
自分たちの問題意識の解決に向けて、
高校へお招きしたのは作家の重松清さん。
受講生たちの問題意識の一つにあったものは、
「よりよい人間関係の築き方とは?」という、
一見すればありきたりにも見えるかもしれませんが、しかし、
誰もが生きてゆく中で直面し得る根源的な問いでした。
「多文化共生」という言葉を自分たちなりに読み解く中で、
「グローバル化やIT化が進む今、私たちはどのように他者を理解し、
お互いの価値観を尊重しながら、共生できる社会を作っていったらよいか」という問いに向き合いました。
この問いを、深く、そして、あたたかく人間関係を描いて、多くの作品として世に送り出している
重松清さんと一緒に考えてゆきたい!
この想いをお手紙にして、重松さんへお届けしました。
新潮社さまご協力も得て、重松さんのご厚意によって、
ついにこの想いが実現しました。「小説を描くことは、数学の計算のように1つの答えに向かっていく営みではなく、
100人いれば100通りの答えがある世界に向かう営みであり、
その1人1人の中でも、時代や気分によっても答えが変化するものを描くこと」と。
重松さんご自身が、子どもの頃、転校を多くされた生い立ちをお話して下さり、
「たまたま『いろいろな』に出会う経験が多かった。」
そして、「『いろいろな』の幅を持つことは、人間一人の中で実現することは難しい。
だからこそ、『いろいろな』の幅を大きくするために、自分と趣味や好みが『同じ』で作る関係だけではなく、
『違う』から始まる友達関係も作って欲しい」と話して下さいました。
「1+1=2というような答えがないからこそ、『いろいろな』が増えると、きっとそれまで以上に迷うことになる。
だから今、たくさん、迷って欲しい」と。
会の後半は、受講生たちが用意していた「個性」「価値観」「コンプレックス」といったテーマに沿って、
重松さんと対談を行いました。
白熱の対談に!と言いたいところですが、重松さんのお話しが心に沁みて、
なかなか生徒の側から言葉が出ない場面も。
すると、重松さんからみんなにご指名がー!
大学でも教えていらっしゃる重松さん。
ちょっとした大学のゼミのように、生徒の言葉を引き出し、
疑問に答え、そして考えるきっかけを与えて下さいました。
講演後は、校長室で受講生たちと気さくにお話をして下さり、
生徒にとっては、夢のような時間を過ごすことができました。
大変なご多忙の中、生徒からのお願いを快諾して下さり、
そして、数か月に及ぶ生徒とのやり取りに応じて下さり、心から感謝いたします。
本当に、ありがとうございました。