2016831
SGHプログラムby T.A

第4回 夏の数学ツアー(SGHプログラム)

数学科の夏企画「夏の数学ツアー」を先週の8月23日(火)・24日(水)と2日間開催しました。
第4回目となる今回は、ICU(大学)の理学館を訪れ、京都大学・大学院の教授を務められ、現在は、四日市大学関孝和研究所所長として、和算の研究などをしていらっしゃる上野健爾先生に「方程式と対称群」と題して講義をしていただきました。講義とともにICUの理系メジャーの研究室もいくつか見学させていただく盛りだくさんの内容です。
1年生から3年生まで21名の生徒が参加しました!


まず、1日目。

あみだくじの性質にはじまり、その性質をとおして対称群(大学で習う分野です)の話まで講義をしていただきました。あみだくじの性質自体は参加者のほとんどが知っており、「このくらいの数学なら理解できる!」と思ったのもつかの間、置換や互換といった高校生ではまだ習っていない概念について触れ始めると、生徒たちも考え込む時間が増え、先生の講義に真剣に向き合っていました。

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そして先生からは、2日目の最後に、4~5人のグループごとにある問題の証明をプレゼンしようという話があり、午後からはグループワークへ!
証明する内容は、「任意の置換(数字列の順番の入れ替え、1234→2413など)が与えられたときに、必ずそれを示すあみだくじが存在する」というもの。
各グループとも先生やアシスタントの方からヒントをもらいつつ、思い思いのアプローチで検討していきます。
上級生顔負けの発言をする下級生も多く、学年に関係なく活発な議論が展開されていました。

なお1日目には、グループワークの前に研究室見学も実施!
理系分野の研究室を3つ訪問し、ハエの動きの分析やNMRという装置を使用した電磁波の実験、電子移動による物質変化など、机上の理論にとどまらない分析に、参加者は興味津々に聞いていました。

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そして2日目!

上野先生からは、グループ発表のヒントにもなる、数学的帰納法について、関連する方程式や複素数等の数の話についても講義をいただきました。
1年生はまだ複素数について習ったことがなく、厳しい面もあったかも知れませんが、先生からの丁寧な導入説明に、しっかりくらいつき、質問も初日に比べてよく出ている!
そして、講義の内容を理解することで、前日から取り組んでいるグループワークの証明も徐々に形になっていきました。

なお、2日目もだいぶ頭を使っていることから、休憩時間にはみんなでお菓子を食べながらリフレッシュ!
普段話したことのない生徒同士も話をしている光景が見られ、交流の場にもなっていたようです。

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また、2日目にも研究室見学第2弾も実施!
レーザー光によるドローンへのエネルギー補給の可能性やICUのキャンパス内に生息する生物の研究など、身近な話を交えながら聞くことで、生徒にとってもイメージしやすかったのではないでしょうか。

そして最後には待っていました、グループごとのプレゼンテーション!

各グループ、完ぺきではないところがあったとしても、どこまで分かってどこが分からないなど、しっかり筋道立てて説明してくれていました。あるグループは組みひも論など、大学数学の他分野の考え方も使ったアプローチで説明するなど、解法は1つではないという数学の魅力にも気づかせてくれました。

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普段高校では接しない、高度な数学分野だったかもしれませんが、必死に考え、仲間と議論し、その一部でも理解できたという経験は、代えがたい経験になったはずです。
理系研究室の見学などもとおして、理数系への興味も増えた2日間になったのではと思います。

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