20091023
ICUHSは30周年!by NZ

それぞれの「自然」を可能にするための「反・自然」~その2

10月9日のつづきです。
つづけてよまないと意味不明なので、前回エントリみてない人はまず読んでから、再び来てください。

......。

準備はいいですか。えーと、今回はまず歴史のお話から。

17世紀イングランドに、トマス・ホッブズという哲学者がいました。
ホッブズは、『リヴァイアサン』という本の中で、「自然状態」について述べています。自然状態、すなわち、国家も法もない、何らの規制も条件付けもない状態においては、人間は私利私欲に動かされる自己中心的な存在なので、お互いにぶつかりあい、しまいには「万人の万人に対する闘争」に陥り、人間は「孤独で、貧しく、卑劣で、残酷で、短い」人生を送るであろう、とホッブズは言います。

「自然」が、誰も何も手をかけないで、そのまま放っておくという意味であるとすれば、ホッブズのような人間観に立つ人には、そんなものは評価も賛美もできないものでしょう。ちなみに、このような人間観のタイプを「性悪説」と言います。性悪説とは、人間は生まれながらに悪の本性を持っているという考え方です。

ホッブズは、そうした「自然状態」を回避するために、強大な権力(特に暴力手段)を一手に集中した国家が必要であると考えました。そこでは、ひとびとは自分の生命・財産を守るために、強力な国家への絶対的な服従を約束しなければなりません。

自分の生命・財産を守るために、国家への絶対的服従を約束する? 現代のわれわれの感覚ではよくわからないかも知れません。しかし、ホッブズが生きていた17世紀には、これには強いリアリティがあったのです。その頃のヨーロッパは、何十年も続く宗教戦争の時代でした。宗教対立を背景に、国家の体制も揺れ動いていました。安定した強い国家が望まれる状況があったのです。

現代でも、安定した国家がない、あるいは国家の権力が弱すぎるために、ホッブズの「自然状態」に近いような状況に陥っている地域が世界には多数存在しています。

あうー、話がひろがって回収しきれなくなりました。続きはまた再来週でーす。ごきげんよう、さようなら。

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