ICUHS RETROSPECT 第20弾<卒業生の皆さんお元気ですか。>
写真を見ていると、全てが昨日のことのように思い出されます。
毎年雪が降ると「あめゆじゅとてきてけんじゃ」と私は三回呟いてしまいます。
「永訣の朝」の一節は、二期生の現国クラスの合い言葉のようになりましたね。
学年最後には、小岩井牧場への旅行計画まで立てましたね。
皆さん、お仕事が一段落する時期がきたら、あの時、実行できなかった小岩井牧場への旅行、今度こそ行きたいですね。
その後も、現国クラスは小人数クラスだったので、学期末には「打ち上げ」と称して井の頭公園に行ったり、お好み焼きを食べに行ったり、よく集まっておしゃべりしましたね。
古文の授業「筒井筒」の教材では、皆さんの「初恋物語」をよく聞かせてもらい楽しかったです。
四期生を担任した時は、春学期から準備をした如月小春の劇を学校祭で発表しましたね。生徒たちの迫真の演技に、私は胸が詰まってしまい、幕が下りたとき感激の余り声も出ませんでした。
修学旅行では、すっかり古都の秋に魅了されたクラスの人二人は、京都大学へ進学してしまいました。
八期生のクラスは活発でした。席替えが大好きで、その度毎にクラス中が大騒動でした。AFSの留学生ヤコブ君も加わり、更に賑やかなクラスとなりました。九州一周修学旅行では、バスの中でほとんどの人がうつらうつらとして、私だけが集中してガイドさんの話を聞いていましたね。
私は、その後、図書館の仕事を主にしています。
新しい図書館が1978年に建築され、完成時にはボーリス社の設計士から直接お話を聞く会を企画しました。建築に興味のある人が集まり、図書館の設計のみならず、建築論一般にまで及ぶ話となり充実した会でした。その中から二人が、第一志望の建築学科に進学したと聞いています。
新築された図書館では、七時三〇分頃から数十人が自習したり読書をしたりしています。
久々ぶりに三〇余年の歴史の詰まった写真の山を見ていると、皆さんのお声やちょっとした仕草が鮮明に思い出されてきます。
校舎を取り巻く木々は今も元気に生長し続け、私たちを見守ってくれています。三年五組の教室の前の大木は、以前にも増して元気で、天に向かって枝を張り中庭の空を覆っています。いつも木に登って担任の私をハラハラさせた木登り名人・高橋君、一度大木を見に帰って来ませんか。
ICUHSには、卒業生の思い出がいっぱい詰まっています。ちょっと立ち止まりたい時、疲れた時には母校に帰ってきてください。