2025322
by J.B.C

45th 卒業式! 

中庭の川津桜が満開に咲き誇る中、
45期の卒業式が挙行されました。b_ICUHS_卒業式_250315_065.JPG


朝、最後のホームルームを終えた3年生たちは、大学チャペルへ。b_ICUHS_卒業式_250315_077.JPG
オルガンの前奏と共に、ICU高校45回目の卒業式が始まりました。
卒業証書が卒業生全員一人一人に、校長から手渡されます。b_ICUHS_卒業式_250315_121.JPG
在校生代表からのユーモアあふれる心のこもったメッセージに、笑みがこぼれます。b_ICUHS_卒業式_250315_152.JPG
保護者、教職員、在校生から多くの祝福を受けて大学チャペルでの式を終えました。b_ICUHS_卒業式_250315_169.JPG
そして、大きな掛け声とともに恒例のネクタイ投げ!b_ICUHS_卒業式_250315_254.JPG拾い上げたネクタイを手に、晴れやかな笑顔で写真を撮り合いました。3F2A9867.jpg高校でみんなで食べる最後のランチ。いつも楽しく集ってきたこのカフェテリアとも、今日でお別れです。3F2A0111.jpg3F2A9998.jpg
この学び舎を巣立ち、あたらしい活躍の場へと羽ばたいてゆく
246名の若人たち。
そのたくましい姿を、この小金井からいつも応援しています!

卒業、おめでとう!!

2025321
スクールライフby 農LIFE

OICU

校内の畑での野菜づくりや環境保全に取り組んでいるNO農NO LIFE。これまで収穫した夏野菜をサラダにしたり、サツマイモを焼き芋にしたりしてきましたが、もっと料理をしたい!旬を感じたい!という熱い思いを持ったメンバーの主導で、この冬、料理イベントが実現しました。その名もOICU(オイシーユー)!



メニューは、旬のほうれん草とじゃがいものグラタンと、スコーン(手作りいちごジャム付き)です。農LIFEの畑のほうれん草を使いたかったのですが、まだ旬は来ていなかった・・・・ということで、三鷹産のほうれん草を使用。じゃがいもはある先生が寄付してくれました!
家庭科の先生にもご協力いただき、材料・道具をそろえて、料理開始です。

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スコーン係とグラタン係に分かれててきぱきと。下校時刻までに作って食べて片付けるという予定なので、みんないつもより3倍速くらいで動いてる??

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笑顔の絶えないスコーン係。

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いちごジャムもできてきました。

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焼けたよ~

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グラタンは材料も工程も道具も多い!レシピとにらめっこ・・・

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ホワイトソースから手作りです

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できた~!


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焼きたてスコーンは手作りジャムと差し入れのバニラアイス付き
グラタンはチーズたっぷり(家庭科の先生によると高校生向けレシピとのことです!)
おいしかったです!!

春は桜、夏は緑、秋は紅葉、と窓の外に四季を感じられる最高のロケーションの調理室。来年度も旬を生かした料理できるといいですね。

202531
イベントもりもり!by 農LIFE

落ち葉スターズ2025

2月のある日、、、今年もやってきました落ち葉スターズ(落ち葉busters)!

JA 東京むさし三鷹地区青壮年部の農家のみなさんがICUキャンパス内で作っている「エコたい肥」づくりのための落ち葉集めです。「エコたい肥」は、ICUの広大なキャンパスで出る大量の落ち葉と、三鷹にある東京大学馬術部の馬場の馬糞を資源として活用してたい肥を作る取り組み。たい肥場で2年かけてできたエコたい肥は、農家のみなさんがそれぞれの畑で使用し、そこで育ったジャガイモなどの「エコ農産物」を市内の小学校に配布されています。



広葉樹の落ち葉を中心に、どんどん集めていきます。

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トラック荷台に積んだら、荷台の上で踏み踏みして、落ち葉を圧縮し、さらに積み込んでいきます!

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チョコレートケーキのごとくぎっしり詰まった落ち葉を、キャンパス内のたい肥場に運んで下ろします。


4月になったら、馬糞を投入し、定期的に攪拌して、2年後には、サラサラのたい肥が完成するそうです。

昨年仕込んだものは、この通り↓
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作業のあとは、高校の農LIFEの畑にご案内し、プロの野菜農家さんからアドバイスをいただきました!春に向けてまた農作業が忙しくなりそうです。

青壮年部のみなさん、ありがとうございました!

2025227
スクールライフby よしの

ファッションで解決しよう!『途上国』の問題

少し前ですが、11月に3年生の選択授業、課題探究講座の一環として、株式会社マザーハウスのネパール事業責任者、牛留早亜彩さんのオンライン講演会を開催しました!!

課題探究講座では、対話を通して、各々が自分の興味に真剣に向き合う時間を過ごせます。その集大成が11月末のGLP LEAP!という行事になりますが、1年間を通して他にも探究テーマに関連した活動を生徒が企画したりすることも行われています。



今回ご紹介するのは「会いプロ」こと、会いたいプロジェクト。生徒が自分の探究活動に関連して、どうしても「会いたい!」と思う方をお呼びして講演やワークショップをしていただく、生徒主導のプロジェクトです。これまでにも、野口健さん、重松清さんなどにお越しいただきました。

私の探究テーマが「ファストファッションと労働問題」だったので、世界各地の素材と職人さんとのコミュニケーションを大切にされているマザーハウスの方に講演をお願いし、今回実現することができました。

マザーハウスは、「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念のもとに、バングラデシュのジュートや革製品をはじめ、6つの生産国の現地の素材と職人さんの技術を大切にしながらものづくりを行っている会社です。

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講演してくださった牛留さんは、ストールやスカーフ、ニット製品の生産国であるネパールの事業責任者の方です。他にも、バングラデシュではバッグや革小物、スリランカやインドネシア、ミャンマーではジュエリー、インドでは手つむぎ手織りの生地の洋服などを生産しています。日本の他に台湾とシンガポールにも店舗を持ち、近年ではアメリカのロサンゼルスで展示会も行っているそうです。

牛留さんは現在、ネパールで年の半分ほどを過ごされているそうで、マザーハウスに入社されるまでの過程、また入社後、どのようにして現地でのものづくりを進めているかということ、そして日々、流行を追いかけながらものを消費している私たちが、より良い消費者になるためにはどうしたらよいか、ということをお話をしてくださいました。

流行や大量消費社会に惑わされることなく、その土地の素材と人との繋がりを大切にしてきたマザーハウスの方のお話は学びになることが多く、充実した時間を過ごすことができました。

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また、講演のあとに意見交換ができるようなワークショップも開催しました。ファストファッションと密接に関わっている私たちの今までの消費活動、そして講演を通して考えたこれからについて、みんなで意見を出し合いました。

・・・

課題探究講座では、自分の学びを自分が望んだ環境で探究し、学ぶことができます。

生涯続けたい学びの形を知り、体験することのできる課題探究講座、私がICU高校で1番おすすめしたい授業の1つです。

2025224
by Chem YS

女子サッカー部 活動報告(2024シーズン)

ICU高校の女子サッカー部Passionsは、昨年12月22日の高校リーグ最終戦を終え、2024シーズンを終えました。
創部から33年目、初のリーグ優勝かというところまで行きましたが、あと一歩届かず・・・
年が明けて1月からは1年生(47期生)が幹部となり、2025シーズンを目指して日々の練習・練習試合を行っています。
そんな女子サッカー部の今年の活動報告をさせていただきたいと思います。
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2024年度は多くの1年生(47期生)を迎え、スタートしました。
4月のインターハイ東京大会は、代替わりして最初の大会。リーグ戦1部の所属する世田谷総合高校
との対戦となりました。実力差はあり、1-7で敗北。前半0-1と抑えたが後半1-6と差をつけられてしまった。
継続して活動を続けている3年生は引退せずこのまま活動を続けていくということで、このチームで高校
リーグを戦い抜くことを確認し、チームの結束も高まりました。

5月下旬定期試験明け、練習試合では1年生も試合デビューし本格的なシーズンインをしました。
今年は1年生選手12名・マネージャー3人、2年生選手12名・マネージャー1人、3年生選手3名、マネージャー1人
常に2チームを編成できる人数となり、男子サッカー部がOFFとなる毎週木曜日に常時紅白戦を実施することも
できるようになりました。
6月に入り高校リーグ開幕。初戦、八王子学園相手に2-0で白星スタート。7,8月は公式戦休止期間。
その間はしっかりと実力をつけていく期間。
夏休みに入り、7月下旬に茨城県神栖にて夏合宿を実施。3泊4日みっちり練習をする。加えて部としての
連帯感を高めるべく、様々な活動を行う。

9月から公式戦再開。まず、高校選手権東京予選。
相手はU-18リーグの所属する強豪 飛鳥高校。台風接近により開催が危ぶまれたが、雨でどろどろになったグラウンド
での試合・・・0-8で敗戦はしたが、3年生しか出場していない相手に対し、この点差は大健闘である。
更に3週連続で高校リーグ。ここから、クラブチーム所属のN選手が期間限定の移籍でチームに加わる。2週連続ホーム試合。
対広尾学園 7-0、対日大三 3-0と連勝。学校祭準備日と当日の間となった東京成徳戦。
あわや敗戦かと思われたところで追いつき、2-2の引き分け。必勝を期していたが、サッカーはどういう展開が待って
いるか分らない・・・チームは静まりかえった雰囲気であるが「まだ終わったわけではない」と。

10月に入っても、公式戦は続く。対青梅総合。選手権の準決勝後の駒沢補助競技場での試合。
相手は8人。しかし、手を抜くのは相手に失礼。全力でプレーし、18-0。創部以来の大勝。
翌週はホームでの試合。対戸山 5-1で勝利。ここまで5勝1分と、無敗で残り3戦を迎える。
公式戦と並行して、練習試合もこなす。人数が多い故、そのようなこともできる。
部員みんなの努力の結果である。それ故、人数は力である。

11月に入って、高校リーグも終盤を迎える。
対国際戦。7-0で勝利。常にライバルでもあった国際高校に大勝し、チームは勢いに乗る。
翌週、対王子総合戦。昇格をかけた1戦になる。これまで1度も勝ったことのない相手。
敵地に乗り込み、大一番を戦う。先制され、前半を0-1で折り返す。しかしながらあきらめなかった。
相手チームのキーパーの状況を良く把握し、攻撃の手を緩めずに相手に向かった。1-1に追いつき、
後半試合終了少し前についに逆転。ここまで7勝1分・・・最終戦を前に2位以上をほぼ確保した。

次戦は新人戦。相手はまたもや 飛鳥高校・・・(選手権は顧問がくじを引き、新人戦は2年生のMさんが
くじを引いたが・・・) 土曜日の午後、授業を3限の途中で抜け公欠とし、飛鳥高校に移動しての試合となる。
中央線がが止まっていたり、遅延もあって大変であったが、何とか会場に辿り着き、試合を行う。
互いに3年生が抜けてのしあい・・・飛鳥は10名。しかし技術力などしっかりしたものがあり、防戦一方となる。
前半を終え0-4。しかし、思ったよりも点差は小さい。いい雰囲気の中、後半が始まる。相手の攻撃は厳しいが、
失点を許さず試合は進んでいく。このまま後半は0-0か?と思われたが、後半27分に失点。失点はこれ1つ。試合終了
前は相手ゴールに迫り、あわや得点のシーンもあった。スコア0-5ではあったが、成長が認められた試合だった。

残る試合は1つ・・・7戦全勝の清瀬高校との試合。2018年に清瀬が加盟したときは、3-0、3-2と完全に格上だったが、
以降は翌年に0-2、1-2と敗北し、2022年は0-0のスコアレスドロー。練習試合も度々実施、いいライバル関係となった。
しかし、今年はクラブチームから5人選手が入ったということで、非常に強い。
清瀬高校との優勝をかけた試合は12/22、クリスマス集会の翌日に、ICU高校グラウンドと決まった。

秋学期期末試験が終わり、最終戦へ向けて練習が始まる。練習試合も、日曜日に世田谷総合高校まで出かけ、
1部の狛江高校、世田谷総合・東京実業・佼成女子の合同チームと練習試合を行う。
いよいよ最終戦。もっともよい条件で試合ができるよう、ホームの地の利を生かすべくできることはやった。
西日が厳しいICU高校グラウンドの特性を生かし、キックオフは前半体育館側、後半野球場側となるように
確認をした。試合当日は予定通り、陣地を取ることができた。前半、相手直接FKから1失点してしまった。
しかし、あきらめなかった。後半中ごろに1点を取り返した。ただ、我々は1引き分けがあったり、得失点差で
この試合引き分けでは優勝とはならない。最後の時間で1点を取る努力をせねば・・・残念ながら、試合終了
少し前、得点を挙げたのは清瀬高校だった。
1-2の敗戦・・・よく戦った。33年目にして初のリーグ優勝は幻となってしまったが、創部以来最高の成績だろう。
試合後、代替わりの式を行う。

1月から新チーム始動。早速1/12に赤羽北桜高校に出かけて練習試合。
1,2月は基礎技術をしっかり身につけることを目標に、2025シーズンを見据え、47期生主体の活動が始まった。

(2024シーズン 表彰)
・第44回東京都女子サッカー連盟 高校リーグ2部(3部制) 
 準優勝(7勝1敗1分)

・第44回東京都女子サッカー連盟 高校リーグ
 2部リーグ得点王  紀川 千尋
 
・第44回東京都女子サッカー連盟 高校リーグ
 2部リーグ優秀選手  岩倉 杏

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2025220
スクールライフby 農LIFE

枝活2025

農業や環境問題について体験し学ぶ、NO 農 NO LIFE(略して農LIFE)、3学期も活動中です!

落葉樹もすっかり裸になった冬のある日、夏にブルーベリー摘み取りでおじゃました吉野果樹園さんにうかがいました。(ブルーベリー摘み取りの記事はこちら


この時期ブルーベリー農家さんは枝の剪定でお忙しいとのことで、一昨年は、剪定して落とした枝を拾って集めるというお手伝いをさせていただきました。が、今年は、すでに枝を拾う作業は済んでいるということで、ブルーベリーの枝の剪定作業についてじっくりお話を伺ったあと、実際に1本ブルーベリーの木を生徒が剪定させていただきました!

高校の畑エリアでも、ブルーベリーなどの果樹を育て始めたところ。これは剪定技術を学ぶまたとないチャンス!

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まずは吉野さんから、剪定の意義や、方法、気をつける点など、お話を聞きました。

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仕上がりや成長度合いを考えながらもテキパキと剪定を進める吉野さん。まさに「木との対話」。

では、実際にやってみましょう!と剪定ばさみを渡されて・・・

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はじめはどこからハサミを入れたらいいのか分からず、なかなか手が進みませんでしたが、ああでもない、こうでもない、と言っているうちにだんだん切るべき枝が分かってきた!?

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ここだっ!えいっ!

写真ではちょっとわかりにくいですが、不要な枝を落として、だいぶすっきりしました。

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最後に、剪定した木に目印のポールを立てて、来年の夏の成長を見に来る約束をしました。

それから、高校の果樹にもついている、謎の白いふわふわの正体も、チュウゴクアミガサハゴロモというこの数年急激に大繁殖している外来種の昆虫の産卵跡であることを教えていただきました。枝を切って、白いふわふわをはがしてもらい、実際に卵を観察しました。

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気候変動や生態系の変化を相手に、どのようなことができるのか、考えさせられます。

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吉野さん、ありがとうございました!

202525
スクールライフby R.S.

トビタテ!留学JAPAN:留学報告

文部科学省が主導する官民協働海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN」日本代表プログラム」で昨年度代表に選出され、「Life with Refugees〜移民・難民と共存する社会を目指して〜」と題してドイツとデンマークで移民をテーマに探究してきた44期生の生徒Sさんの留学報告です。

現地での活動報告のレポートを抜粋してお届けします。


・・・・

2023年7月 ドイツ ベルリン 

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難民支援施設として使用されているFlughafen Tempelhof、Tegel AirportやAnkunftszentrumを訪問した。Flughafen Tempelhofと、Tegel Airportは、主にウクライナ難民支援のために、空港の機能を停止し、シェルターや物資保管庫として使用されている施設である。体育館6つ分ほどの広さがある部屋には、ドイツ全土から寄付された生活必需品が保管されており、ウクライナとベルリンを行き来するトラックに物資が乗せられていた。自らもこれらの物資運搬を手伝う中で、その物資の多さや、国民から寄せられた暖かいメッセージの数々に胸を打たれた。Tegel Airportは、空港の屋内外がウクライナ難民の居住施設として使われていた。個人や家族のために仕切られた個室や、十分な食事だけでなく、洗濯機や幼稚園などの設備、行政手続きを行える場所、音楽や芸術、言語などを学ぶことのできるセッション、シェルターとベルリン市内を行き来するバスの運行など、高い水準の生活を提供するための工夫がなされていた。

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また、ドイツの入国管理局のような役割をもつAnkunftszentrumでは、緑の多い開放的な空間と、集団で食事をすることもできるスペース、移動式のX線を備える病院など、居住者が安心して滞在できるような場所となっていた。閉鎖的な空間で、入居者の自由はほとんどなく、内部での不審死がたびたび問題となる日本の入管とは対照的な印象を受けた。所内のスタッフも、高圧的な態度をとる日本とは異なり、スタッフと入居者が屋外で談笑する姿も多く見られた。総じて、ドイツの難民支援政策は、日本も見習うべき点が多いと感じた。海外にルーツを持つ人の少なさや、移民・難民受け入れ実績があまりないこと、入国管理のシステムが整備されていないことなどを鑑みると、ドイツに倣った体制を導入するのは難しいが、ドイツの良い部分を取り入れる努力が必要だと感じた。

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KuB Berlinは、ベルリン市内を中心に活動する民間の難民支援団体である。ここでは主に、KuB Berlinが主催する難民向けドイツ語教室の視察と、リーダー・メンバーへのインタビューを行った。言語教室に参加している難民のほとんどは、中東やアフリカ地域出身であった。ウクライナ難民と比較すると、中東・アフリカ地域からの難民は、支援や労働許可などが大幅に制限されており、民間団体に頼らざるを得ないケースが多いという。また、中東・アフリカからの難民は、ドイツ語はもちろんのこと、英語も話せない人が存在し、彼らにとって公的機関や政府サービスの援助に登録することは非常にハードルが高い。難民として正式に認定されず、不法滞在というかたちになり、政府の援助もうけられず路頭に迷った人が、KuBを訪れるというパターンも多いらしい。ドイツ語教室の教室内は、学習者がリラックスして学べるように、軽食や飲料が用意されていたり、学習者同士の交流・会話を積極的に促しながら授業を進めたりする様子がみられた。インタビューの中では、ドイツにおける民間団体の難民支援の実情を知ることができた。上述のとおり、難民のなかには、サービスや援助を受けたくても、さまざまな理由からそれを求めることができない人々がいる。KuBの相談窓口では、そのような人々が、本来享受できるであろう支援や権利へと彼らを結びつける活動をしている。ドイツには同様の支援団体が数多く存在し、政府はそれぞれの団体に支援金を提供している。移住先・避難先の国の文化や言語、行政手続きを理解することができず、困窮やトラブルに発展する、というのは、日本でも多く見られるケースである。官民連携を強化し、ドイツのような支援体系を作ることが必要だと感じた。

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2023年7月 デンマーク オクスボル FLUGT - REFUGEE MUSEUM OF DENMARK

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世界で唯一の「難民ミュージアム」を訪れた。UNHCRの後援のもと運営されているこのミュージアムでは、難民問題そのものや、難民制度に焦点をあてるのではなく、難民一人一人の生活や、それそれが持つ物語にフォーカスした展示を行っていた。現地では、展示の閲覧と併せて、ミュージアムを訪れた人との交流、スタッフへのインタビューやアンケートの実施などを行った。展示内容は、「難民」という私たちが経験したことのないsocial statusについてより深く学べるように、難民の子どもが暮らしていた部屋を再現した展示、戦時中難民が実際に暮らしていた場所の周りを音声ガイドとともに歩けるコース、難民の実際の声を用いて彼らの心境を聞くことが出来るコーナーなど、具体性や再現性を特に重視したものとなっていた。

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FLUGTを訪れたことで、日本において難民に対する理解を促すためには、「難民」という概念そのものについての説明だけでなく、彼らがもつそれぞれのバックグラウンドを知ることのできる機会が必要なんだと気づくことができた。移民によって引き起こされるトラブルや外国人の流入急増といった事象が倒錯し、移民へのヘイトが高まりつつある中で、一個人としての難民を知ることで、遠い国の、自分とはほど遠い環境下で暮らしてきた人々に思いを馳せることができるようになる。

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2023年7月 デンマーク コペンハーゲン 

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Educational Visit Denmarkのコーディネートのもと、コペンハーゲン市内の小学校および学童保育施設を訪問し、多文化共生社会における民主主義的教育について学んだ。デンマークをはじめとする北欧諸国の教育は、幼稚園・保育園や初等教育の段階から、主体性・自由を重視する教育を展開している。多様性、平等な機会、民主主義的態度、非競争的、分析的思考、形式ばらない、ウェルビーイング、個人の自由、異なる能力とニーズといった要素を尊重し、質の高い教育を国民全員が享受できるよう様々なサポートを行っている。例えば、デンマークでは基本的に義務教育十年に加えて大学院までの高等教育が無料で受けられる。多岐にわたる奨学金の提供のほか、幼稚園と小学校の間にpre-school classの設置、3rd gradeからの英語教育と7th gradeからの第二外国語教育、5th gradeからのインターネット教育、宿題の廃止など、先進的かつ多機能的な教育を多く採用しており、児童生徒がより幅広い選択肢をもてるようなカリキュラム設計となっている。特に感銘を受けたのは、「フォルケホイスコーレ」という施設の存在だ。生涯教育という概念を大切にするデンマークでは、本来教育過程を終えた人々(農民など)のために、寄宿学校などの教育の場を提供している。高い幸福度や、他の先進国が挙って参考にする教育制度は、国の政策の賜物であると感じた。

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移民難民にとどまらない外国人に対する偏見や配慮の欠如は、すくなからずその歴史や地理的要因が関係してくる。しかしながら、これを日本だから、欧米とは違うから、という理由であきらめるのではなく、多文化共生の社会に向けてどのような具体案をとれるかが非常に重要になってくる。日本と外国をつなぐ架け橋としての役割を担うのが教育であると自分は考えた。たとえば、FLUGTの展示のように、自分とはバックグラウンドが全く異なる人々の視点に、擬似的に立つことが出来るような機会は、教育を受ける人々の共感性と国際的な視野を大いに涵養する。長く日本の主流である、座学を重んじる授業形式の中では、難民という概念を、客観的・政治的視点からしか見ることができない。移民難民問題にとどまらず、当事者の視点に立つことが出来るようなカリキュラム設計を推進していきたい。無論、日本国内の移民難民に対する支援もより一層強化していかなければならない。このセクターは、私たち学生が積極的に関わり、貢献できる部分である。現在参加している日本語教育ボランティアや、国際支援プログラムへの参加によって、まずは自分の周りから、海外にルーツをもつ人々が日本でより心地よい生活を送れるよう支援していきたいと感じた。外国人のための言語習得支援やコミュニティへの参加促進、日本人のための国際教育や国際交流の機会設置など、双方への教育的アプローチを継続して行うことで、誰もが安心して暮らせる社会へ一歩前進することができる。

・・・・・

(留学を終えて)

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私にとっての留学の価値とは、「人や環境と対話を交わすこと」であると考える。留学の重要性について語る際に、「本やネットではわからないものを見に行く」というのは、よく言われる話だ。留学を終えた今、日本の中にいては学べないことというのは、私が想像していたものより遥かに大きかったと実感している。留学前、ドイツを訪れる目的は、先進的な難民政策を視察し、それを日本に導入する術を探ることであった。現地では、もちろん、今までは知ることのできなかった政策や、その有効性、メリット・デメリットを実際に知ることができた。しかし、それ以上に大きな学びは、「人や環境との対話」から得られた。例えば、「その国の政策を国民はどう感じているか?」「難民が今必要としているサービスはどのようなものか」「現地にいる人が不安に感じていることは何か?」という情報は、論文などに掲載していることも少なく、現地の人との対話からしか知ることができない。社会学・人道支援において最も尊重されなくてはならない、人々の暮らしや感情を、生で聞くことができるのは、何よりも大きな収穫であると感じた。また、「なぜこの政策がドイツで実現できたのか?」「このシステムがうまくいっていないのはなぜか」「何がどのような問題を引き起こしているのか」「日本で同じことを行うとしたらなにが起こるか」といった疑問は、現地に赴き、現地の人と話し、そして現地で考えることで解決の糸口を見出すことができる。その環境との対話を通して、自分が持つ疑問の本質を理解することができたと考える。ただ見に行くだけでなく、そこでの会話や思考にこそ、留学の価値があると、私は思います。

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・・・

2025115
イベントもりもり!by GLP

SGH記念講演会

3学期初日、新年集会の後、今年もSGH記念講演会を行いました。今回お話しくださったのは、ICU高校の元評議員で、杏林大学医学部薬理学教室教授の櫻井裕之先生です。「ひとりの医学部教員がICUHS生に伝えたいこと」として、日頃、医学部教育を通してお考えになる教育の在り方、またICUHS生に期待することなどをお話してくださいました。

日本の医学部の学びの特徴や、医学研究、特に病理学や創薬が医療現場での患者からのフィードバックでどのように進むのかという具体的な例から、今求められている能力は何かを説明してくださり、新学期のはじめに勉強のやる気が出た人も多かったのではないでしょうか。

質疑応答でも、ICU高校をよくご存じな先生ならではの励ましをいただけました。

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生徒の感想から:



医学生を目指している身ということもありとても興味深い内容でした。(...)薬が1つできるまでの大変な労力と時間を知り多くの人々の結晶であることや予防の観点が医療において重要であること、医者は患者さんを診ることが他とは違う良さであるなど様々な気づきや学びがありました。

はじめは医学のことで自分とは無縁の世界のお話だと思っていたのですが、だんだんと今後大学で自分が何をしたいのかを考えさせられて、3学期の1番最初に聞けて良かったと思いました。冬休みに色々と大学受験について考えていたのですが、ただ受け身になるのではなく、自分で問題を発見して探究していくことを教えてくださって、今後自分が大学で何を学びたくて、どういう動機で受験勉強を頑張ろうとしているのかを考えていきたいです。

帰国子女で、学校にもいろいろな国から帰ってきた友達がたくさんいるこの今の環境を持てることは幸せなことで、なかなか経験できないことだと再認識することができました。

この話を聞いて自分のどこかで勉強のスイッチが何故かオンになりました!

前半の話は、専門的な話が多く理解するのがとても難しかったのですが、複数の学部の話や私たちがこれから学ぶ上で大切なことについては私たちに通ずるところがあるなと思いました。(...)高校生になって勉強がより発展的なものになり挫折を味わうことが増えました。それゆえ、平均点を取れればいいやと妥協するようになっていました。そんな甘い考えをしていた私に櫻井さんのお言葉が刺さりました。

櫻井先生、ありがとうございました!

20241129
スクールライフby GLP

学習発表会GLP LEAP! 2024

11月といえば...学習発表会GLP LEAP!の季節ですね!

GLP LEAP!は、生徒たちが、高校のGlobal Learning Programs(GLP)、個人で取り組んだプロジェクトや校外で参加したプログラムでの学びを発表しあい、広く知的交流を行う行事です。

今年はGLP LEAP!と呼び名を変えてから3年目。「跳躍」を意味する"LEAP"の頭文字ひとつひとつに、学習発表会で大切にしたいキーワードが盛り込まれています。
L: Learning, Listening
E: Empathy, Education, Exploring
A: Action
P: Presentation, Project, Planning, Passion

小規模会場では、スタディツアーの報告、ボランティアやバイトの話、平和や国際問題を考えるサマープログラムに、数学ワークショップ、Podcast体験、イギリス史から映画分析まで今年も多彩なテーマでさまざまな発表が繰り広げられました。

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一筆書きに挑戦したり、



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クイズに、

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インタビューに、、、

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生徒が主役の半日です。

体育館での発表は、課題探究講座履修者の3年生による全校生徒を聴衆とした大規模な発表です。これまでの探究活動の過程や成果を全校にシェアしてくれました。

体育館での発表タイトル一覧:
ギター用義手の世界にようこそ
「発展途上国」カンボジアの実態
「多様性」のその先には
砂漠に立つグローバル都市
ICUHSの「食」
, ; : . ~句読点の効果~
地域の歴史・文化はユーモアセンスの形成に貢献するのか?
理想的なプロスポーツクラブの運営とは
犯罪と向き合う

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体育館での発表についての生徒の感想から:

「自分の中で生まれた疑問や違和感について、めんどくさがらずにきちんと時間をかけて向き合い、さらには、それを言語化して人に共有できる形にしていた姿が本当にすごいなと思いました。」

「自分の興味や関心に基づいて探究し、堂々と発表している姿をみて、私も元気をもらいました。受験勉強づけで勉強の目的を見失っていた私にとって、『自分の好きなことを極めるために大学に行くんだ』という気持ちを思い出すきっかけになりました。」

「様々な視点・意見が出るような(正解のない)トピック/疑問に対し、それぞれの経験を活かしたレンズで探究している姿を目の前でみて、自分の経験の大切さ・経験が持つ力に驚かされました。自分で選び、探究し、用意したテーマだからこそ発表のメッセージ性が高く、自分のストーリーを熱意をもって伝えてくれたお陰で、自然と自分の経験などと掛け合わせて情報を消化する事ができたと思います。経験から行動に繋がるプロセスを多方面から聞けて、学びの多い時間となりました。」

「最初の問いや発想、考察から、調べるにつれて別の問いが生まれたり、全く違う考えにかわったりするプロセスが見れて面白かった。」

・・・
お世話になった他校や大学、近隣地域、国内外各地のみなさま、ありがとうございました!

20241128
イベントもりもり!by 上級中国語クラス

京劇についてみんなで学ぼう!

上級中国語クラスのみなさんが、京劇俳優であり日本画家の盧思先生をお招きして、中国の伝統劇、京劇について学ぶワークショップを開催しました!

まずは生徒が京劇の由来や特徴などリサーチしたことを発表してくれました。

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意外と難しいクイズも...。

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発表の傍らで、盧思先生が京劇のお化粧も実演してくださり、

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衣装なども身に着けて

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生徒がひとり京劇役者になりました!

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さらにワークショップの参加者は、京劇に特徴的な隈取をもとに、お面づくりもしました。

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美術の先生にも協力していただき、伝統的な岩絵具を使って思い思いにデザインしてみました。

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ワークショップ実施に関わった生徒の感想です.
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我们通过京剧发表学到了很多。 首先,为了这个发表做了很多,很长时间的准备。我们开始做ppt的时候有很多失败。比如,我们首先做ppt是用汉语做的,但是一段时间后我们发现来听的学生和老师不能理解汉语,所以我们要改ppt然后做新的ppt。做这个ppt我们可以知道很多关于京剧的内容。

私はこの京劇の発表を通して、たくさん学ぶことがありました。私達はこのプレゼンテーションにたくさんの時間をかけました。大体数ヶ月程たくさんの努力を行い、プレゼンテーションを作り、生徒のみんなに発表を行いました。プレゼンテーションを作るにあたり、たくさんの失敗がありました。例えば、初めはプレゼンテーションを全て中国語のみで作っていましたが、発表をする相手の生徒や先生方が理解しやすいために、新しくプレゼンテーションを作り直して日本語を入れたりしました。私達はこの発表のお陰で京劇について理解を深めることができました。
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十一月十四号放学后,我们发表京剧的活动。对我来说这是第一次用汉语说明,所以比较难,但是我可以学到很多的事情。
比如说,我可以学到中国的文化。以前我对中国的文化不太感兴趣,但是后来通过京剧的发表,我觉得我学到了很多有关京剧的知识。

11月14日の放課後に、上級中国語選択者の人達で京劇ワークショップを行いました。このワークショップは私にとって初めて自らが主催者となる活動でした。初めての活動で困難なことがいくつかありましたが、それと同時にこのワークショップを通して学んだこともたくさんありました。そのうちの一つとして私は中国の文化に触れられたことが大きいです。以前、私は中国の文化そのものにあまり興味がなかったのですが、この機会を通して中国の文化である京劇について学びを深めることができた良い機会だったと思います。
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这三个月、为了了解京剧我们花了很多时间准备。因为这是我第一次在学校给大家介绍有关京剧的内容,所以我一开始很担心我们不能好好说明。但是很多人帮助我们完成这个活动。京剧演员也来我们学校,而且暑假的时候我们跟京剧的老师在zoom上说话。这是一次很难得的机会。

この3ヶ月間、本当にたくさんの時間をかけてこの京劇の発表の準備をしてきました。学校でこのような発表をするのは初めてだったので、最初はとても心配でしたが、たくさんの方々の手伝いもあり、とてもいい発表にすることができました。京劇の俳優の方も学校に来てくれて、夏休みにはズームで色々お話しをし、発表のアドバイスもいただきました。とても貴重な機会でした。
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我们从第一学期开始,为了这个京剧发表会做了很多的准备。我们通过大量的调查学习,逐步深入地了解了京剧的魅力。在暑假期间我们在zoom上与卢思老师进行讨论,以期将发表会做得更好。在此过程中,卢思老师向我们分享了她作为京剧演员的宝贵经历,不仅对我们有了很大的帮助,还开阔了视野,还加深了对京剧的了解。为了让观众更好理解京剧发表的内容,我们小组反复讨论,如何让京剧变得更有吸引力。虽然这是我们作为高级汉语班的第一次发表,但是有了美术班和其他老师的帮助我们顺利地完成了我们的发表。

发表会当天,我有幸亲身体验了京剧演员的化妆。虽然化妆的过程有点长,技术也有难度,但整个过程让我深刻体会到了京剧演员在舞台后付出的努力。化妆完成之后穿了京剧演员妖艳美丽的服装。我不仅感受到了京剧演员在装扮上的精美,还感受到京剧演员的情感感染力。通过这次活动我不仅是对京剧本身,还对中国的传统文化产生了浓厚的兴趣。我相信不仅是我,参与发表会的同学们也对中国的传统文化有了更深刻的理解。

私たちは一学期から、京劇についてたくさんのリサーチを重ね、11月14日の京劇の発表のために準備をしてきました。夏休みも実際の京劇俳優さんである卢思 (ろし)先生と zoom でお話を交わしたり、スライドをどう全員にわかりやすくするか、たくさんの試行錯誤を重ねました。また、上級中国語のクラスとして発表は初めてだったのでとても心配でしたが、美術選択者の手伝いや、たくさんの方々の手伝いのおかげで成功をおさめられました。

発表中、実際に京劇のメイクを体験できる機会があり、とても大変でしたが、身近でこのような体験をできたのは一生の宝物になりました。実際に衣装も着て、私は京劇俳優の大変さを自分の肌で理解できました。私たちは京劇を通してより中国の文化への理解が深められたと思います。イベントを通して、参加した生徒達も中国の文化により理解を深められたと思います。
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楽しいワークショップ、ありがとうございました!

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