ICU高校に関心を寄せてくださる中学生の皆さんへ
お元気ですか。
国内各地、また世界各地でどのようにすごしていますか。
国内中学校の友達にも会えず、外出もままならず、勉強も手につかないで不安の中にいる人、
世界各地でオンライン授業を受けながらも、猛威を振るう感染症に息をひそめながら暮らしている人。
いつまで続くかわからないこの毎日に、ささくれた気持ち、投げやりな気持ちになってはいないでしょうか。
世界中のだれもが、翻弄されながら毎日をすごし、だれにも逃げ場がない状況です。
イライラしたり、落ち込んだり、急に涙があふれたり、ということはごく自然なことです。
親しい友人やご家族と、ゆっくりと穏やかなことばで、お互いの気持ちを話してみてください。
皆さんのことが気になりながら、3月から4月にかけて、ICU高校も嵐のような毎日を送りました。
3月初めからの突然の休校、かろうじて挙行できた小雪まじりの卒業式、休校の延長とオンライン授業のスタート。
皆さんはいま、世界について、社会について、政治について、科学について、人間について、そして自分について、どんな本を読み、どんなことを考えていますか。
いま感じ、考えていることを、ぜひ文章にしてみてください。この状況で皆さんが書き記すものは、きっと皆さんの人生の土台になるはずです。
特に海外にいる皆さん。どんな世界を持ち帰り、持ち寄ってくれますか。「コロナ、マジやばかった」、その一言で終わることがないように。昨日の美しい世界を伝えてください。
中学生の皆さんが、この事態から多くを学び、将来、平和のために働く人へと育ってくださるように、私は強く願っています。
恐怖や敵対に陥ることなく、世界と社会の分断を回避する知恵と力を互いの内に育てましょう。
できれば、特にこのような情勢の中で、より苦難を強いられている人々を共に覚え、その人たちの隣人となる勇気を持つことができるように。
皆さんとご家族の健康と安全を祈ります。
国際基督教大学高等学校
校 長 中嶌 裕一